インドネシア|ジャカルタ都市高速鉄道南北線建設事業フェイズ1|海外の土木・建設プロジェクト

東南アジア

効率的な地下鉄網のさらなる拡充に向けて

ブンデランハイ駅の渡り線部(CP106) 

本事業の効果と今後の展望

本年4月の開業以来、地下鉄南北線の乗客は順調に増加し、現在は1日に9万人以上が利用するまでになった。早朝の5時30分から深夜の12時まで運行し、ラッシュ時は5分間隔で乗客を運ぶ。

設備や内装が完了したブンデランハイ駅のプラットホーム(CP106)

南北線の南端から北端まで車で行く場合、渋滞にあえば2時間以上かかることも珍しくない。それが地下鉄を利用すれば片道28分である。短時間で、時間通りに目的地に着く南北線の市民からの評判はうなぎのぼりである。また、駅の周辺の駐車場の整備、バスや他の鉄道との乗り換えの容易さ、駅と周辺の建物(ショッピングセンターなど)との隣接化などによっても新路線は市民から高い評価を得ている。さらに、整列乗車や電車内の静謐(せいひつ)さの維持など、南北線では乗車マナーが格段に向上していることも注目されている。

設備や内装が完了したブンデランハイ駅のコンコース(CP106)

現在進行中の南北線の延伸工事(フェイズ2:約6km)が完了し、北端のブンデランハイ駅と既存鉄道のコタ駅が結ばれると、さらに交通渋滞の緩和と公共交通機関の利便性の向上に貢献できるようになる。その後には、総延長87kmのMRT東西線(バララジャ-チカラン間)の建設も計画されており、南北線のサリナ駅で交差することになる。これが実現すればジャカルタの都心部の移動の利便性向上はますます拍車がかかる。わが国の都市部における旅客の高速大量輸送の技術やノウハウがインドネシアでさらに活用されることを期待したい。

シールドトンネルの貫通記念(CP106)

寄稿:(株)オリエンタルコンサルタンツグローバル 軌道交通技術第一部 次長 南條 大助氏 課長 西澤 健太郎氏

工区 CP106
施設内容 トンネル部:2.0km,地下駅:2駅プラットフォーム長130m
施工企業 三井住友建設(株)
所長 花木 茂夫氏 諸田 元孝氏

コンサルティング:(株)オリエンタルコンサルタンツグローバル日本コンサルタンツ(株)パシフィックコンサルタンツ(株)

『国際開発ジャーナル2019年11月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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