使命は日本国内の協力隊サポーターづくり
国際協力機構(JICA)が実施する「JICA海外協力隊」への理解を広め、国内で協力隊への支援を広げていくことを目的に協力隊を育てる会(以下、育てる会)は全国で活動を展開している。
主な事業は、①協力隊に参加しやすい社会環境の整備、②現役の協力隊員と元協力隊員の活動支援、③協力隊事業の広報。
全国47都道府県に組織された各地の育てる会が、地元企業や大学などの教育機関、自治体、青年海外協力協会(JOCA)やJICAの国内機関などと連携し、派遣隊員の壮行会や帰国隊員の報告会、国際理解の集いなど、地域性を生かした活動を展開している。
また、社会環境の整備として、企業や団体に対し、籍を置いたまま退職せずに協力隊に参加できる「現職参加制度」や、採用時に協力隊経験者を評価する「優遇措置」の制定を働きかけている。
支援活動では、本来の業務とは別分野で隊員が企画する支援活動への資金援助や、帰国後も開発途上国への協力活動や調査・研究をする者に対して活動資金の援助を続けている。
広報活動では、解放し『協力隊を育てる会ニュース」やカレンダーなど広報ツールを作成してサポーターの輪を広げている。
一昨年3月、新型コロナウィルス感染症の世界的な感染拡大により、すべての協力隊員が一時帰国を余儀なくされた。その中で、隊員たちは日本国内のさまざまな現場で外国人との橋渡し的な役割を務め、高い評価を得た。
外国人材との共生社会の推進、衰退する地方の活性化など、日本社会が抱えている課題に対して協力隊経験者が果たす役割が大きいことも支援者の立場から訴えている。
法人データ
・名称:一般社団法人協力隊を育てる会
・設立:1976年
・従業員:11人
・会員:個人272人、法人27社、団体80(2022年6月現在)
・事業分野:協力隊員・元隊員の支援活動、協力隊事業の広報・啓発など
・住所:〒101-0052 東京都千代田区神田小川町 3-28-7 昇龍館ビル2階
・Tel:03-5244-5093
・Mail:main@sojocv.or.jp
『国際協力キャリアガイド22-23』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)