2016年国際協力キャリアガイド:
東海大学大学院

 

学校紹介「東海大学大学院 工学研究科建築土木工学専攻」

 東海大学は創立者・松前重義博士が掲げた理想を具現化するため、積極的な国際交流を展開してきた。米国、デンマーク、オーストリア、タイ、韓国に海外事務所を置き、世界の大学との交流や学生交流プログラムを実施。さらには海洋調査研修船による「海外研修航海」など、同大学ならではの個性的なプログラムも準備している。国際協力機構(JICA)の人材育成プロジェクトでは、50年以上におよぶタイ・KMITLへの支援をはじめ、カンボジアやアフガニスタンの留学生を大学院に受け入れ、土木工学や機械、電気・電子技術などの分野で母国の開発・復興に役立つ人材を育成しているほか、公衆衛生の専門家養成研修も手掛ける。
語学語学留学だけでなく、外資企業の奨学金給付型インターンシップなども提供。キャンパスでは、2015年秋に民間の飲食店と協力して、International Caféを開設。店舗内のメニューや店員の対応はすべて英語にするなど、日常的に国際感覚を身に付ける環境づくりに取り組んでいる。

 

先生に聞きました!

大学院工学研究科 建築土木工学専攻
伊達 重之


本専攻(2016年度から土木工学専攻と建築学専攻が統合して建築土木工学専攻に改組)ではアフガニスタンやタイ、モンゴル、サウジアラビア、ベトナムなどからの留学生を多く受け入れています。中でもタイのモンクット王ラカバン工科大学(KMITL)とは50年以上にわたり密接に連携しており、同大学の教員との研究交流も盛んです。
本学は国際的な産学連携活動を積極的に展開しており、今後は民間企業との共同研究をさらに推進していく方針です。日本は地震が多いことに加えて、海に囲まれており、かつ変化に富んだ気候環境から、過酷な条件に対応できる高度なコンクリート技術が発展してきました。こうした優れた技術を内外に発信し、さまざまな課題解決につなげることが私たちの使命でもあると考えています。


学生さんに聞きました!

大学院工学研究科 土木工学専攻 修士課程2年(取材当時)アブドゥル・アフマッドさん

アフガニスタンの職業技術大学を卒業後、建設技術者として働いていました。国際協力機構(JICA)が支援した首都カブールの橋りょう建設のプロジェクトマネージャーを務めたこともあります。アフガニスタンでは厳冬期にインフラ建設が滞ってしまいますが、あらかじめ部材を作っておくプレキャスト・コンクリートを使えば、冬の間も工事を続け、工期を短縮できます。そこで、プレキャスト製品の品質や生産性を向上させる技術を学ぶために、JICAの研修プロジェクトで留学しました。東海大学を選んだのは、土木工学の大学院コースにこの分野を専門とする伊達重之教授がおられたことです。これまで研究室で15人の学生と一緒に学び、伊達教授の学会発表にも同行して研究の最前線を知ると同時に、研究者や専門家の方々とのネットワークを構築しています。修士課程の授業はすべて英語でしたが、関係資料や文献を読むのに必要な日本語も頑張って勉強しました。
アフガニスタンには、かつてソ連との合弁で作られたプレキャスト・コンクリート工場がありましたが、長年の紛争の影響で倒産してしまいました。ですので、2年半の日本留学で学んだ知識と人脈を生かして祖国の復興を後押しするのが私の目標です。日本の皆さんのアフガニスタン支援、そして東海大学の先生方や友人たちにとても感謝しています。


『国際協力キャリアガイド2020-21』掲載

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