林志勲（りむじふん）さん｜海外で働く建設・技術者インタビュー事例集

大型案件を担い途上国の発展に寄与したい

子どもの頃からエンジニアになるのが夢で、高校卒業後、日本に留学しました。大学院の夏休みを利用してフィリピンで語学研修中、ボランティア活動で地方の村を訪ねたところ、韓国や日本とのインフラ格差を目の当たりにして衝撃を受けました。一方で「優秀な人材は豊富にいるのだから、社会資本整備が進めば発展の可能性は大きいのでは」と感じ、国際協力の仕事を目指すようになりました。

道路設計のため踏査に訪れた村で、良い道路を造ってほしいと村人に手を握ってお願いされたことがあります。こうして現地で聞いた声を計画に反映できた時は、大きなやりがいを感じます。将来の夢は、大型土木案件のプロジェクトマネジャーになることです。そのためには技術力を磨くだけではなく、リーダーシップや人間力を養い、また契約や財務についても勉強しなければなりません。

現場では正しいことを柔軟に！

現在、国際協力機構（JICA）の有償資金協力で、ミャンマーの通信網改善事業に携わっています。私の担当は、ヤンゴン市の通信管路敷設工事の設計と施工監理です。技術的課題の解決もさることながら、大規模事業で苦労するのは、行政諸機関から住民まで多岐にわたる関係者の調整です。我々、開発コンサルタントには中立性が求められます。時に発注者の意向に沿わないものであっても、プロジェクトや将来の受益者のため、専門家として技術的に正しいと考えることを説明し、理解してもらう必要があります。

そんななか、一緒に働く現地の技術者が成長していく姿を見るのが一つの喜びです。現場では、環境や価値観の異なる多くの人々と出会います。国際協力を目指す方には、まずお互いの違いを認め、自分の考えに固執しない、柔軟な心を持ってほしいと思います。

林志勲（りむじふん）さん（八千代エンジニヤリング株式会社　事業統括本部　海外事業部　交通基盤部　計画・推進課　シニアコンサルタント）

Career Path

・八千代エンジニヤリングに入社
・韓国の建設コンサルティング企業で勤務
・東京大学大学院　新領域創成科学研究科　社会文化環境学専攻　修了
・埼玉大学　工学部建設工学科　卒業

会社情報｜八千代エンジニアリング株式会社

技術力に定評ある総合建設コンサルタント

社名に象徴されるように、百年後、千年後の未来を見据える高い視座を持ち、国内外で社会の課題解決に当たる八千代エンジニヤリング。「人間性の尊重と全員参加の経営を基本」とした経営理念の下、都市計画、道路・交通、河川、防災、上下水、環境、電力、情報通信などの事業を手掛ける開発コンサルティング企業として実績を重ねてきた。

社会の安全と利便性を支えるこれら幅広い領域の技術者を抱える総合力が高く評価されている。海外事業においても技術提供を積極的に進めており、これまでに世界140以上の国・地域でコンサルティングの実績を重ねている。

建築・社会開発部、交通基盤部、水資源部、電力・情報通信部、都市環境部に、約150人の海外事業を担当する開発コンサルタントが所属している。

高い専門性を持ち熱意ある人材のための場を提供

ハード面を中心としたインフラ整備だけでなく、政府開発援助（ODA）を通じた貧困削減や防災・気候変動対策などのソフト面でのサービスを提供し、より包括的な社会基盤の改善を志向している。

例えば、インドネシア・スラウェシ州での復興支援プロジェクトでは、リーディングコンサルタントとして、震災被害からの復興計画の策定やインフラ建設の支援、コミュニティ再生などを行っている。

加えて、IT分野での技術開発を行う他、国内外における民間ビジネスコンサルティングも強化するなど、活躍の場を広げている。

海外での仕事の面白さは“ダイナミックに、何もないところから築き上げる”ことができる点にある。高い専門性を持ち、熱意ある人材が活躍できる場が提供されることは、約束されているといえるだろう。

Company data

・八千代エンジニアリング株式会社
・設立：1963年
・資本金4億5,000万円
・従業員1,159人（2020年7月1日現在）
・本社：東京都台東区
・海外拠点：インドネシア、ミャンマー、韓国、インド、エジプト、ナイジェリア、ブラジル
・事業分野：インフラ、資源・エネルギー、防災、ICT、都市開発、水と衛生、環境・気候変動、平和構築、民間セクター、貧困削減
・住所：〒111-8648　東京都台東区浅草橋5-20-8　CSタワー
・Tel：03-5822-2900（代表）
・Mail：kyujin@yachiyo-eng.co.jp
info@yachiyo-eng.co.jp