三宅清孝さん|海外で働く建設・技術者インタビュー事例集

海外で働く建設・技術者インタビュー事例集

社員インタビュー

大学卒業時

当時、土木系の卒業生の主な進路は技術系公務員、ゼネコン、建設コンサルタントの3つの職種でした。私は役所でのインターンシップの際に見掛けた建設コンサルタントに興味を持ち、八千代エンジニヤリングに入社しました。特に、海外に関心があったわけではなく、国内プロジェクトをやっていくつもりでした。東北支店に配属され、東北地方の道路設計業務を担当。OJTで技術を磨きました。

入社後

道路設計業務に慣れた頃、国際事業部が道路技術者を募集していると聞き付け、応募したところ、1年間の期限付きながら、モルディブでのプロジェクトへの従事が認められました。英語はあまり得意ではなかったのですが、現地で関係者と交渉に臨みながら、必死に勉強しました。そこで海外業務の醍醐味を知り、帰国後に国際事業本部への正式な異動希望を出しました。

現在

国際事業本部への異動から9年目の現在、アフガニスタンの首都カブールの道路建設管理能力強化プロジェクトで、初めて専門家10人を統括するプロジェクトマネージャーに就きました。アフガニスタンは、治安の悪化から日本人専門家の現地入りは禁止されているため、同国政府職員をインドや日本に呼び寄せて研修を実施。現地の活動を日本とインドから遠隔管理する難しい業務に挑んでいます。

印象深いプロジェクトや業務は?

2005年11月から約1年間従事した、モルディブでの津波災害復興支援プロジェクトは、私のその後の人生を大きく変える契機になりました。プロジェクトでは、インフラ整備にとどまらず、津波被害で疲弊した島民を活気づけるため、住民参加型事業も実施。NGOと連携した子どもたちへの防災教育や、地元の雇用創出のため、がれきからリサイクルブロックを製作して津波避難所の建設資材に使うといった取り組みを行いました。初めての海外プロジェクトで、インフラ整備に対する住民の高い期待や住民参加型プロジェクトにより人々が元気づけられるのを実感でき、とても印象に残っています。

この仕事を目指す読者へ一言

途上国での仕事は、さまざまなトラブルへの対応など難しさもありますが、それ以上の魅力があるのも確かです。国内業務も経験してきた私が感じるのは、途上国支援は、真に必要とされるものを何もないところから作り上げるダイナミックさや、本当の意味でのコンサルティング業務ができるやりがい、仕事の合間に現地の文化や生活に触れられる面白さなど、多くの魅力があります。開発協力には、語学力だけでなく、コンサルタントとしての高い専門性や技術力が求められます。より多くの理系学生が国際協力に目を向けながら、自分自身の技術を磨いて活躍してくれることを期待しています。

三宅清孝さん(八千代エンジニヤリング 国際事業本部社会・経済基盤部道路・鉄道課主幹)

これまでの主な担当プロジェクト
●モルディブ・スマトラ沖地震津波災害復旧支援プロジェクト
●アフガニスタン・カブール首都圏開発計画推進プロジェクト
●パプアニューギニア・レイ-ナザブ都市開発計画プロジェクト

Career Path

22歳 広島大学工学部(建設・土木系)卒業。八千代エンジニヤリング入社。東北支店に配属

27歳 モルディブの津波被害復興プロジェクトに従事

31歳 国際事業本部に異動

38歳 アフガニスタン・カブールの道路建設管理能力強化プロジェクトで、初めてプロジェクトマネージャーを担当

会社情報|八千代エンジニアリング

アフガニスタン・カブール市道路整備プロジェクトのパイロットプロジェクトとして施工した市内道路

技術力には世界的な定評あり

八千代エンジニヤリングは、総合建設コンサルティング企業として、国内外の社会インフラ整備事業を中心に50年以上の実績を重ねてきた信頼のブランドだ。

建設コンサルタントは、国や自治体など発注者側のパートナーとして、道路などの構造物の計画、立案、設計、施工管理などの業務を手掛ける技術者たちのこと。高度な技術力を必要とする土木・建設事業であり、発注者を技術面で支えるとともに、中立・公正な立場で多分野のプロジェクトを推進する役割を担う。特に同社は都市計画、道路、河川、上下水など幅広い専門領域の技術者を抱える総合力を強みとしている。

海外事業についても、創立期から各種技術サービス提供を通じた技術協力を積極的に進めてきた。これまでに世界140カ国以上で開発コンサルティングの実績を重ねている。総合力を誇る同社では、国際事業本部が、傘下の社会・経済基盤、水資源、施設、電力・プラント、都市環境の各部を通じて、防災、運輸交通、廃棄物など多岐にわたる仕事を担う体制を敷いている。

特に最近は、ハード面を中心とした防災対策やインフラ整備に加えて、政府開発援助(ODA)を通じた貧困削減というソフト面での貢献も志向。リベリア、アフガニスタンなど紛争があった地域での平和構築や復興支援に注力することで、より人々の生活に直結するODAの実施を模索する。

国際事業本部計約170人のコンサルタントが「ダイナミックに、何もないところから築き上げる」やりがいに満ちた海外の仕事に挑んでいる。

POINT
・140カ国以上の国々で事業を展開
・ハード・ソフト両面をカバーする開発コンサルタント

Company data

八千代エンジニヤリング(株)
代表者:代表取締役社長 出水重光
設立:1963年
資本金:4億5,000万円
従業員:1,076人
本社:東京都台東区
海外拠点:インドネシア、ブラジル、ミャンマー、ナイジェリア、エジプト、インド
住所:〒111-8648 東京都台東区浅草橋5-20-8 CSタワー
TEL:03-5822-2900
Email:kyujin@yachiyo-eng.co.jp

事業分野:道路、橋梁、鉄道、交通、河川、砂防、防災、地下水、水理地質、予警報システム、上下水道、環境、廃棄物、都市・地域計画、建築、通信・放送、電力など

Recruitment

募集職種:海外開発コンサルタント
募集人数:(新卒)事務系5人、技術系42人
募集人材:文系・理系新卒・中途学士・修士

『国際協力キャリアガイド2017-18』に掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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