ラオス|国道9号線橋梁改修計画|海外の土木・建設プロジェクト

東南アジア
DCIM100MEDIADJI_0879.JPG

4カ国にまたがる経済回廊の橋梁を耐久性に優れた素材で架け替え

セタームアック橋

国道9号線は、ベトナム国境からラオス南部のサバナケット県を経て、タイへと延びる。ベトナム・ダナン国際港とラオス・サバナケット県のサワン・セノ経済特区、人口の多いタイ東北部などをつなぎ、ミャンマー・ヤンゴンへと至る「東西経済回廊」の一部で、インドシナ半島諸国の持続的な経済発展を支える国際幹線道路である。また、サバナケット県東部と首都ビエンチャンを結ぶ、この地域の経済発展に極めて重要なインフラである。

セクンカーム橋

国道9号線上の51橋は1980年代に整備されたものが多く、劣化が顕在化している。本計画は、建設後30年以上が経過し、過積載車両の影響等により主桁に大きなたわみが生じ、渡河施設として特に不具合をきたしているセクムカーム橋及びセタームアック橋の2橋を対象とした架け替え工事である。

施工中のセタームアック橋(右は仮設橋)

国際幹線道路上の工事となるため長期間の交通規制は行えないなどの観点から、本計画では本邦技術である「鋼・コンクリート合成床板橋」が採用された。底鋼板とコンクリートとをずれ止めで一体化した橋梁形式で、コンクリートのみを用いた場合と比べて工期は短縮された。また、耐候性鋼材をラオスで初めて採用したことで、再塗装による将来の維持管理業務が必要なくなり、大幅なライフサイクルコストの低減が実現できた。

さらに、今後の9号線その他の橋梁架け替えに備えて、施工現場ではソフトコンポーネントによる技術の継承も行われた。

施工中のセクンカーム橋(奥は仮設橋)

2橋の架け替えは19年6月に完了した。竣工式には、ラオスの閣僚、阿部俊子外務副大臣、引原毅・駐ラオス特命全権大使(いずれも当時)など多数の両国要人が参列し、新しい橋梁の門出を祝福した。

引渡式(2019年6月10日)に参列した両国の要人と地域の子供たち

コンサルティング:(株)オリエンタルコンサルタンツグローバル(株)国際開発センター
施設建設:(株)安藤・間JFEエンジニアリング(株)

『国際開発ジャーナル2020年11月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

国際協力のキャリア相談

Follow me!

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました