和田知之さん|海外で働く建設・技術者インタビュー事例集

海外で働く建設・技術者インタビュー事例集

社員インタビュー

任せてもらえる環境

父が同業でしたので、開発コンサルタントという仕事についてなんとなく知識はありました。大学で水文学を専攻してしばらく研究を続け、8年前に当社に入社しました。以来、主に防災関係のODAプロジェクトに携わっています。当社の魅力は、自由なところ、任せてくれるところでしょうか。例えば、現場で少し脱線して書類にない自分の興味あることを工夫してみる。そうすると、自分のやれることも増え結果としてカウンターパートに渡せるものも増えたりします。自分の理想と現実のギャップが埋まらなくても、10年くらいいればそのうちできるようになるだろうと、間口を広く構えているといいのではないでしょうか。英語も得意ではないからとあきらめる必要はないと思います。私も今でも雑談は苦手ですが、技術的な会話は意外と英語でできるものです。

技術者同士一緒にやれる面白さ

現在担当しているJICAのスリランカの土砂災害リスクを軽減するプロジェクトでは、早期警報の精度向上を担当しています。カウンターパートの意欲も高く手応えを感じていたのですが、3月に新型コロナウイルスのため帰国し、今はリモートで作業を進めています。やりがいは、相手の求める日本の技術や知見を供給できるところですね。JICAの「技術協力プロジェクト」というスキームは、国内のプロジェクトと違って、カウンターパートと開発コンサルタントは、発注者と受注者ではなく、ある意味フラットな関係です。こういうことで困っている、じゃあ一緒にやりましょうと。ここがとても面白いところだと思います。防災部門でいろいろやってきましたが、そろそろ一つ自分の芯になるものを見つけたいと思っています。当社の場合、高い技術レベルを要求される国内部門と交流があるので、そこは刺激になりますね。

スリランカのカウンターパートと土砂災害早期警報基準について議論する様子

和田知之さん(株式会社地球システム科学 防災事業部 技師)

Career Path

・北海道大学理学部 地球科学科 卒業

・北海道大学大学院 理学院自然史科学専攻

・北海道大学 理学研究科専門研究員

・地球システム科学に入社

会社情報|株式会社地球システム科学

スーダン・ゲタレフ州にて共同水栓の開通式で歓喜する子どもたち

水・防災分野のプロフェッショナル

地球システム科学は、「地球科学」の知見をバックに、水資源開発、防災、環境保全関連分野で活動する開発コンサルタント企業だ。海外では、国際協力機構(JICA)による政府開発援助(ODA)事業の他、国際機関や途上国政府をクライアントとした事業を20カ所以上で展開している。

水資源開発では給水・水資源開発・管理、流域環境管理をコア事業としており、通常では対応が難しい乾燥地帯や基盤岩分布地域での資源開発にも貢献してきた。

防災分野では、開発途上国の防災行政機関の組織強化や、防災情報整備、リスク評価などに関する技術を移転している。代表的なものに、ブータンの氷河湖決壊などによる洪水予警報能力向上プロジェクトがある。

2020年4月、同社は、国内で道路、都市・交通計画分野に強みを持つ株式会社福山コンサルタントを中核子会社とする株式会社FCホールディングスと資本業務提携を行った。互いの業務を補完し合うことで、グループとして業務拡大を目指す。

現場では「連携」も重視

同社では、地球科学や土木工学などを学んだ技術系の社員も多いが、プロジェクトの組織・制度強化、人材育成などを専門とする人文系の社員も在籍している。海外では、これらの技術系・人文系社員がチームを構成する他、ジョイントベンチャーを組んだ他社の社員との協働も珍しくない。

そのため、技術力に加え、チームとして課題に柔軟に取り組む「連携」も重視している。仕事への誠意を持ち、未来の世代に住みよい環境を提供するために挑戦してみようという人を待っている。

Company data

株式会社地球システム科学
設立:1991年
資本金:4,000万円
従業員:45人(2020年2月現在)
本社:東京都新宿区
海外拠点:ボリビア、スーダン
住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿1-23-1 新宿マルネビル7階
Tel:03-3357-1761
Mail:info@ess-jpn.co.jp

事業分野:水資源・環境、防災マネジメント、気候変動対策

Recruitment

募集職種:河川、上水道、水資源管理、防災他
募集人数:若干名

『国際協力キャリアガイド2020-21』に掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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