サモア独立国|令和 4 年度経済社会開発計画

サモア・日本両国関係者一丸で迅速な支援を実現

サモアの安全を守る警備艇を調達

一般財団法人日本国際協力システム(JICS)は、日本政府が実施する無償資金協力にて調達代理業務を実施している。この案件では、サモア向け警備艇の調達が決定され、私は警備艇の調達から引き渡しまでを実施監理した。

本案件は、サモア警察の海上警備艇が座礁し使用不可となったため、サモア政府から日本政府に対して新たな警備艇の調達を強く要請されたことによるものである。JICSは迅速な対応が求められ、その実現のためにサモア警察を含む案件関係者と綿密な協議を行い、手続きを進めた。

緊急を要したため、日本大使館からも多くの支援をいただいた。特に警備艇が現地に到着し、その引き渡しに課題が生じた際には大使館から関連省庁へ働きかけを行っていただいた。そして、関係者一丸となり必要手続きに対応した。また、契約者であるサプライヤーやメーカーの人々には、現地での操船訓練開始までの迅速性を担保しつつ、サモア警察が満足する訓練内容を手配していただき、高い熱意を感じた。

その結果、1年未満と迅速に業務を完了できた。後日、他案件でサモアへ出張した際にサモア警察署へ訪問したところ、先方の責任者から短期間での調達実現に感謝の言葉をいただいたことが、大変思い出深く、心に残っている。

近年、サモアを含め太平洋島嶼国は日本の外交上の重要度が増している。援助のスキームと技術力の高い日本製品を活用し相手国での裨益効果を十二分に発揮できるよう、そして日本のファンを相手国に増やせるような、価値ある案件の遂行を続けていく。また、太平洋島嶼国のさらなる発展に貢献できるよう、より良い関係構築と国際協力の推進役として取り組む所存だ。

プロジェクトギャラリー

サモア・アピア出張時の先方政府との協議

サモア・アピア出張時の先方政府とのミニッツ締結

サモア・アピア出張時の機材視察

ボート技術仕様に係るクラスルームトレーニングの様子

操船トレーニングの様子

プロジェクト担当者

一般財団法人日本国際協力システム 業務第一部 地域第一課
板垣 祐太さん(いたがき・ゆうた)

大学卒業後、民間企業2社で情報通信、および製造業向けFA機器事業の海外営業、マーケティング業務に従事。2022年より現職の一般財団法人日本国際協力システムに入団。入団より一貫して太平洋島嶼国向けの調達代理業務に従事。

※国際開発ジャーナル2025年4月号掲載

\ 最新情報をチェック /

PAGE TOP