ソロモン諸島|ホニアラ国際空港整備計画

国際線ターミナルを拡張 大洋州のハブ空港へ

集中豪雨に備えて堤防や排水処理施設も整備

ソロモン諸島の首都にあるホニアラ国際空港は、約25年前、日本の無償資金協力によって国際線ターミナルビル、駐機エプロン、誘導路などが整備された。その後、利便性の向上や集中豪雨による浸水対応を図るため、2018年に両国が贈与契約(G/A)を結びプロジェクトが始動。当社は調査・設計の段階から携わっている。

本計画では、同空港の国際線エプロン(駐機場)を拡張して国際線機材最大4機、国内線機材最大6機が駐機できるようになった他、国際線出発旅客ターミナルを新たに完成させた。浸水対応としては、空港の南側に約600mの堤防を建設し、排水処理設備も強化している。

工事は2023年3月15日に終了し、三輪芳明・在ソロモン諸島特命全権大使、同国のマナセ・ソガバレ首相など多数の関係者が出席して、現地で完工式典が開かれた。ソガバレ首相は、同国に対する日本の支援の歴史に触れると共に、感謝の言葉を述べた。

また、式典に先立って実施した空港の見学会では、地元の幼稚園児や保護者が招待された。保安検査場や入国審査場、出発ロビーを巡り、普段は入れない区域で保安機材などを触った園児たちは、空の玄関で乗客の安全・安心がどのように守られているかを学んだ。出発ロビーではちょうど、近隣国のフィジー発の航空機が着陸し、園児たちが魅了される一幕もあったと聞いている。

ホニアラ国際空港は今回の拡張によって、より便利で災害にも強い空港となり、航空機の発着数も増えた。オーストラリアや大洋州諸国を結ぶ交通のハブとして、ソロモン諸島の経済成長をさらにけん引すると期待されている。

プロジェクトギャラリー

新設された航空照明

完工式典におけるソガバレ首相のスピーチ

運用中の出発ラウンジ

プロジェクト担当者

(株)ジャイロス
山口 高男さん(やまぐち・たかお)

横浜国立大学工学部建設学科(当時)を卒業後、建設コンサルティング企業勤務を経て2005年に山口計画事務所を設立。07年、ジャイロスに改称する。同社の代表取締役として航空・空港整備分野を中心とするODAの無償案件で実績を重ねている。24年には国土交通省から「2023年度海外インフラプロジェクト優秀技術者賞」を受賞。

※国際開発ジャーナル2025年4月号掲載

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