北部の復興を支える都市に雨期も通行可能な舗装道路を建設
ウガンダ北部では約20年にわたって内戦が続き、戦闘が激しかった地域では道路損傷が著しく、通行に大きな支障が出ていた。側溝など排水施設も失われため、雨期には道路が冠水して車や歩行者が通れないだけでなく、さらに道路の劣化も進むという悪循環に陥っていた。
同国北部・アチョリ県の中核都市であるグル市は、2006年に内戦が終結して以降、北部復興計画の拠点となっている。2002年の同市の人口は11万9,000人であったが、経済成長や隣国・南スーダンからの難民流入により、14年には15万2,000人まで増えた。
同市は復興の推進のため道路整備にも力を注ぎ、厳しい予算状況の下で応急的な修繕を行ってきた。しかし抜本的な改善に至らなかったことから、ウガンダ政府は日本に支援を要請した。
本計画では同市の中心市街地を構成する複数路線、中核病院へのアクセス路線など、必要性が高いと判断された19路線(総距離6,064m)の道路が補修された。対象となった道路はすべてアスファルトで舗装し、両側に側溝を設けて雨期の浸水を防ぐ。また、歩道は中核都市としての賑わいや景観を考慮して、インターロッキング舗装を採用した。これは幾何学的ブロックを敷き詰める工法で、耐久性、安全性、快適性などに優れている。
本計画の完了によって、円滑な物流が実現したうえ、住民は雨季でも病院、市場などへ行けるようになった。同国南部の首都カンパラとのアクセスも整備されたことで、グル市周辺だけでなくウガンダ全体の持続的な経済成長、ひいては平和構築に貢献することが期待される。
コンサルティング:(株)エイト日本技術開発、日本工営(株)、NTCインターナショナル(株)
施設建設:ワールド開発工業(株)
『国際開発ジャーナル2020年12月号』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)
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