増加する廃棄物を効率的に収集・処理
東南アジアの内陸国ラオスは、近年の経済成長に伴って人口が増加し、廃棄物の処理が大きな課題となっている。特に首都ビエンチャン、およびルアンパバーン郡、サヤブリ郡は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の統合ロードマップにおいて「環境的に持続可能な都市」に登録されており、廃棄物の管理能力の強化を目標の一つとして掲げている。
しかし、上記の3地域では廃棄物収集専用車両が少なく、輸送方法も非効率なままで収集率が伸び悩んでいる。未収集の廃棄物は野焼きされるか、そのまま放置されるため、病害虫や悪臭が発生する原因にもなる。
そこで今回の無償資金協力においては、ビエンチャンに廃棄物管理のための中継基地を建設するとともに、ビエンチャンと他の2郡で、廃棄物収集車両、散水車、最終処分場用のブルドーザーなど、廃棄物の収集・処理に必要な機材の調達を実施した。
例えば、ビエンチャンではそれまで、市街地から32キロ離れた最終処分場に廃棄物を直接持ち込む方法をとっていたが、中継施設にいったん廃棄物を集積し、量がまとまってから大型トラックで効率的に最終処分場へ運ぶ方法に切り替えた。廃棄物中継基地の運営は、ラオス側にとって初めての試みとなったため、収集車両の配車計画や最終処分場への搬入方法などの技術指導も併せて行われている。
さらに、ビエンチャンは廃棄物収集率が極めて低いことから、大量の収集用コンパクタートラック、医療廃棄物用の収集車などを調達し、2013年からの7年間で収集量を約3.7倍に増やすことを見込む。他の2郡でも同様の調達を行い、収集量の倍増を目指している。
コンサルティング:国際航業(株)
施設建設:佐藤工業(株)/豊田通商(株)共同企業体
『国際開発ジャーナル2018年5月号』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)
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