杉本光さん｜海外で働く建設・技術者インタビュー事例集

社員インタビュー

「水資源エンジニア」として

「世界のすべての人が安全な水にアクセスできるような時代にしたい」。大学受験の予備校で恩師が語ってくれた異国旅に心惹かれ、世界中を旅した学生時代。専攻した土木分野のなかでも、特に途上国の水問題に関心を持つようになりました。大学院生の時には、インドネシアで湿原河川の研究に携わり、国際協力の現場で地域の人々と一緒に活動する面白さも知りました。

入社から5年間、海外事業本部に所属し、主にアジアの国々で水資源関連の業務に携わりました。技術力を高めるため東京や札幌でも数年の経験を積み、その後、派遣されたケニアでは、全国を対象とした水資源計画に携わりました。2年以上、乾燥地域の水問題と向き合いながら、安全な水を安定的に確保することの意義を改めて認識し、「水資源エンジニア」としての視野が広がる貴重な時間となりました。

“挑戦” の連続常に進歩する技術者に

入社から17年、これまで携わった業務のなかで特に印象深いのは、初めて副総括を務めたフィリピンの洪水予警報に係る能力強化案件です。水害の多いフィリピンでは、人々にいち早く災害情報を届けることが喫緊の課題であり、2016年から3年間、天文気象庁の職員らと共に体制強化に取り組みました。構造物を造る仕事と違い、人材育成は成果が見えにくく、より多角的な視点が求められることを学びました。

現在担当する業務では　、日本の水資源管理の経験を国際協力の現場で活用するための教材を作成中。日本の技術や制度を各国に合う形で応用してもらえるよう工夫を凝らしています。

業務ごとに国や自然、環境が異なり、技術も進歩しているため、新たな業務に取り掛かるたびに次の課題に直面します。苦労も不安も絶えませんが、常に新しいことに向き合いながら前進し続けたいと考えています。

洪水警報伝達訓練の様子。災害シナリオに基づいた洪水警報発表の文書作成を支援した

杉本光さん（日本工営株式会社　コンサルティング事業　統括本部　水資源エネルギー部）

Career Path

・北海道大学卒業

・北海道大学大学院工学研究科修了（修士課程）

・日本工営に入社　コンサルタント海外事業　本部　地域社会事業部　水資源管理部に配属

・コンサルタント　国内事業本部　流域・都市事業部　河川・水工部

・コンサルタント　国内事業本部　札幌支店　技術第一部

・コンサルタント　海外事業本部　環境・水資源事業部　水資源エネルギー部

・コンサルティング事業　統括本部　水資源エネルギー部　※2020年7月に組織再編

会社情報｜日本工営株式会社

日本工営グループが計画・設計・施工監理に従事したさまざまなプロジェクト

時代の変化とともに国づくりに貢献する

戦後の復興と発展を願う技術者が集い、1946年に設立された日本工営。創業以来、「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する」という経営理念の下、世界各地で国づくり、社会づくりに貢献してきた。

開発コンサルタント業界には、各分野に特化した企業が数多くあるが、あらゆる専門分野を網羅し、これほどの「総合力」を備える企業は、他にない。年間受注案件数5,000件以上（2020年6月期実績）、売上高は1,085億円で業界ナンバーワン。誰もが認める日本最大手の開発コンサルティング企業だ。70年以上の歴史を持つ日本工営は今、時代の要請に迅速かつ的確に応えるべく、持続可能な開発目標（SDGs）を共通言語に事業を展開し、国際社会のサステナビリティに貢献している。

「商品は技術」を支える研修制度

近年注目が集まる鉄道ビジネスの実績も豊富だ。ベトナムの都市鉄道、ダッカのMRTなどの支援事業で、土木技術や電気・通信技術といった多くの専門家の力を結集させてきた。また、気候変動や防災・減災におけるAIやビッグデータの活用など、新しい技術の開発やサービスの創出にも力を入れている。

同社には、国内外双方のコンサルティングができる一流の人材を育てるための環境がそろっている。技術士資格の取得支援制度や年齢・役職に応じた研修を多数用意。新人研修では、いち早く責任ある仕事を担えるよう、グループ会社の社員と合同で、OJTやフォローアップ研修を実施している。福利厚生や子育て支援制度も充実しており、安定した環境下で質の高い仕事をしたい人に、ぜひ挑戦してほしい。

Company data

日本工営株式会社
設立：1946年
資本金：74億5,800万円
従業員：5,497人［連結］、2,258人［単独］
本社：東京都千代田区
海外拠点：アジア、中南米、アフリカ、中東など47拠点
住所：〒102-8539　東京都千代田区麹町5-4
Tel：03-3238-8035
Mail：personnel@n-koei.co.jp

事業分野：運輸・交通、都市開発、防災、ICT、資源・エネルギー、水と衛生、民間セクター、環境・気候変動、農業・農村開発、貧困削減