ザンビア ルサカ郡住民への医療サービス向上に貢献|海外の土木・建設プロジェクト

アフリカ

ルサカ郡病院整備計画/第二次ルサカ郡病院整備計画<無償資金協力>

コンサルティング:(株)日本設計/(株)フジタプランニング
施工:清水建設(株)
機材調達:(株)シリウス

アフリカ地域の母と子をめぐる保健衛生環境は、なお厳しい状況下にある。ザンビアでは、5歳未満児の死亡率が1990年代後半以降、急激な改善を見せたが未だ新生児の約1割が満5歳になる前に死亡している。妊産婦の健康と併せ、保健医療サービスの一層の改善が求められている。

これに対し、人口約140万人の首都ルサカ郡では、高度な第四次レベルの医療を担う国内トップのザンビア大学教育病院(UTH)があるものの、住民生活に最も近いヘルスセンターとの間に第一次から第二次レベルの病院が少ないため、ルサカ市民の保健医療サービス需要にきめ細かく対応することが困難な状況にあった。また、UTHはヘルスセンターからの多数の搬送患者を受け入れており、慢性的で深刻な混雑状態にあった。日本政府が無償資金協力の実施を決定したルサカ郡病院整備計画は、まさにこうした状況の改善を目指したもので、交換公文(E/N)と贈与契約(G/A)は2013年7月に結ばれた。供与額は19億9,900万円。

本計画では、ルサカ市内の2ヘルスセンター(マテロ、チレンジェ)の施設改修と医療機材が調達され、第一次レベル病院の医療サービスを提供できるよう機能強化が図られた。続く第2フェーズではルサカ郡のチパタ、カニャマ、チャワマのヘルスセンターの機能拡充を支援した。E/N、G/Aの締結は2017年5月。供与額は39億800万円。施設建設工事と医療機材の調達に当たっては、いずれも「郡病院標準施設仕様」に基づいて第一次レベル医療の提供体制が整備された。途中、コロナ禍に見舞われ、2020年4月には工事を中断。32人に上る外国人スタッフ(日本人含む)は母国へ帰還となり、中断中の現場保全やザンビア人スタッフの雇用維持といった問題にも柔軟に対応した。2020年11月に工事を再開、2021年1月に無事に竣工し、ルサカ郡住民への保健サービス向上に高い効果を上げている。

 

『国際開発ジャーナル2022年8月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

 

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